イジメを受けて自殺する人もいますが、
イジメを受けるようになった場合には、周りの人に手助けを求めることが大切です。
その時、心の内なる闘いが求められるといえます。
その心の内なる闘いとは何なのでしょうか。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
イジメとの内なる闘い 逃げることを考える
(出典「photoAC」)
イジメとの内なる闘いで大切なのは、最後には逃げることです。
逃げることが闘い?
そう思うかもしれませんが、
イジメを受けるような状況になれば、多勢(たぜい)に無勢(ぶぜい)で、
こうした状況になってから怒ったり暴力的な行動に出たとしても、
イジメが加速したり陰湿さが増したりするなど、
状況が悪化することが予想されます。
ですので、イジメを受ける状況になった場合には逃げることが必要で、
ずっとその環境に身を置いていれば、精神的な面でも良いことはなく、
その後の人生に悪い影響が出てしまうことが考えられます。
イジメを受けることで、心が傷つき、他人を信じられなくなるなど、
人間関係を築く上でマイナスになることが多くなると思われます。
心が傷つくこと。
そのこと自体は、決して悪いことではなく、
嫌な経験から身を守ろうとする防衛本能とも言えます。
ただ愛する人ができた場合などに、
その人はイジメるような悪い人ではなくても、
心の傷が過去の嫌な体験を思い出させてしまい、
その人のことをイジメてきたような悪い人だと思い込ませてしまう。
つまり心の傷が、他人に対するありもしない幻想を生む。
そのことが理由で、人間関係をうまく築けなくなることが、
心に傷を負った場合の問題になることはあり得ます。
私自身、幼い頃に外で遊んでいる時に、心に傷を負うようなことがあり、
それが影響したのか人見知りがひどくなったことがあります。
今では初対面の人と話すことに抵抗はないのですが、
その頃のことを振り返ってみますと、
心の傷が生み出す妄想や幻想におびえていたように思えます。
心に傷を負わなければ良いですし、誰もがそう望むとは思いますが、
生きていれば避けられない苦しみや哀しみがあり、なかなかそうはいきません。
ですので、逃げることは決して恥ずかしいことではありませんし、
状況によっては逃げることも、立派な闘いの方法の一つと言えます。
イジメとの内なる闘い 親に相談するべし
イジメを受けている環境から逃げるためには、
学生など若い人であれば、どうしても親に相談する必要が出てくるでしょう。
親に心配かけたくないと思い、親に相談しない、というのは実は大きな間違いで、
何も相談されないまま、我が子に自殺された方が、
親はもっと傷つくことでしょう。
親は生涯、相談されなかったこと、
我が子が苦しんでいることに気づけなかったことに対して、
罪悪感を感じて生きていかなければいけません。
そうなるよりはイジメられていることを相談してくれた方が、よっぽどマシだと思います。
イジメられていることを恥ずかしいことのように感じ、
だからその事実を言えないという気持ちもあるのかもしれません。
誰しも格好良いことは言いやすいと思いますし、格好悪いことは言いにくいとは思います。
ただだからこそ格好悪いことをさらすことは、実はとても勇気が必要なことですし、
それこそが私が言う、
内なる闘いなのです。
どこにも完璧な人間はいませんし、本当は誰しもダメな部分や弱さを抱えています。
ダメな部分が無い人はいない。
そんなダメな部分をさらけ出す勇気を持つことは、他人との信頼関係を築く上でも大切で、
必要以上の見栄っぱりやプライドは、信頼関係を築く上でマイナスになることもありますし、
将来、社会に出て仕事をする上でも、それは大切なことになってきます。
人に良く思われようと思うがあまりに
自分のミスを隠したりウソをつくようでは、人との信頼関係は築けなくなりますし、
仕事でミスをしたとして、それを格好悪いからと上司に言わなければ問題になることもあります。
そうならないためにも親という身近な人に、
自分の悪い面やダメな面を見せるような心構えを今のうちから育んで欲しいと思います。
(私の場合には大人になってから、そんなことが分かってきましたけどね。)
またもしも親のことが信頼できないということがあれば、それ自体はとても残念なことですが、
先生をはじめとした周りの大人を頼ってみてください。
またイジメの相談窓口もネットで検索すれば見つかります。
以下に文部科学省のホームページに記載の、相談窓口へのリンクを貼っておきますが、
その他にも相談窓口はありますので、探してみてください。
(身近な人に相談するよりは、まずはこうしたところに連絡する方が楽なのかもしれませんね。)
また精神的な苦しさを一人で抱えこむと、どうしても袋小路に迷いこんでしまいがちで、
そういった袋小路から抜け出す方法が分からなくなり、
目の前が真っ暗で、これから先の人生にも光が見えてくるように思えない。
そんな絶望的な心理状態になると、自殺したいと思うようになるのだと思います。
自殺したい。
そう「思うだけ」であれば良いのですが、
できる限り実行には移さないで欲しいと切に願います。
自殺するほどの勇気があるのなら、あなたがやれることはまだあるはずです。
またイジメっ子は、あなたから見てどんな人間でしょうか。
そして人生は一度きりしかありません。
そういう人のために、たった一度きりのあなたの人生を無駄にしないで欲しい。
私はそう思います。
イジメを防ぐためには、怒ることも大切
イジメを受ける人は、どこか人に対して怒れないような優しい人が多いのかもしれません。
学校で孤立することを怖れて、怒れないという場合もあるのかもしれませんし、
他にも何か怒れない原因はあるのかもしれません。
ただあまり怒れない場合には、最初はじゃれ合いのつもりでも、
相手の要求がエスカレートして、イジメに発展してしまうことはあるように思えます。
そういった意味では、イジメを受けないようにするためには、
私自身の経験からも、怒ることが大切だと思います。
(これはあくまで怒れないことで、イジメを受けている人に向けて書いている内容にはなりますが。)
ただ何に対してでも怒れば良いということではもちろんありません。
じゃれ合いなど相手がやってきたことの
「度が過ぎる」とあなた自身が感じた時には、怒るべきだと私は思います。
場合によっては友達との関係が壊れてしまったり、
一人で過ごさなければならなくなるかもしれません。
ただ、そういったことを怖がって怒れないことが、イジメにつながると思います。
もちろん一人になってしまえば、
寂しい気持ちや周りの視線が気になるなど、思うことは多いと思いますが、
そうした気持ちと向き合うことも、イジメとの内なる闘いだと私は思います。
終わりに
イジメを受ける環境になって、自分自身が苦しくなった場合には、
周りの人の手を借りることは大切で、
一人で抱え込んでいると、悪い方向に考えてしまいがちになるように思えます。
また周りの人の手を借りるためには、
格好悪いことをさらすという勇気を持つことは大切に思えますので、
格好悪いことをさらす勇気を持って、
できる限り早い段階で、イジメを受ける環境から逃げてもらえたらと思います。